木の色と匂いその2
木の話-091
木材の匂い
伐採直後の生材は、何らかの匂いがあります。乾燥などの工程を経ると、匂いはほとんど感じられなくなる場合が多いのですが、材によっては強い匂いが長く残る場合もあります。
たとえば、法隆寺の柱などに使われている樹齢1000年以上のヒノキは、伐採後1300年を経過しているにもかかわらず、その表面をカンナで2〜3ミリ削ると、ヒノキ特有の匂いが漂うそうで、匂い成分の寿命の長さには驚かされます。
これらの匂いはヒノキの香りのように、材の価値を高める特徴となったり、逆にアンチアリス材のようにアミン様の悪臭を放ち、材の欠点になるものもあります。
また、微量の匂い成分によって、金属が腐食される場合もあり、木材を利用する上で問題になっています。
匂いの成分は、揮発性物質であり、植物体から水蒸気蒸留により得られる精油の中に含まれ、多くは液体ですが、ショウノウのように固体の化合物もあります。
匂い成分の材中での含量はたいへん微量ですが、各樹種を特徴づけるうえで、大きな役割を果たしています。
木材の匂いの成因は、第一に樹木本来の生理活動によって生産される場合、第二に木材成分が、微生物などによって分解された結果、材本来の成分ではない物質が生産される場合の2通りがあります。
材本来の匂い成分としては、テルペノイド類、芳香族類、アルカロイド類等が多く、悪臭の成分としては、低級脂肪酸類等が多く見いだされています。
悪臭成分は、親水性の物質であるため、木材中の水分等に強く保持され、これらを材から完全に除去することはたいへん困難です。
その為悪臭を除去する決定的な方法は確立されておらず、木材を伐採した後、運搬、貯木、製材、乾燥に至るまでの管理に注意を払い、悪臭を生じさせない予防策を立てることが必要です。
レポート 東日本昇竜の年
昨年はリーマンショックから経済が回復に向かうかと思われた矢先に、震災や台風に襲われ、そこから挽回しようとしていた時にタイの洪水で日本の製造業が打撃を受け、踏んだり蹴ったりの1年でした。
その一方で冷静沈着な行動や建築の被害の少なさなどが海外から賞賛され、日本の長所が再認識された1年でもありました。
現在日本の製造業は歴史的な円高に苦しんでいますが、それは「諸外国に比べれば日本経済の方がまだ信頼できる」という見解の反映でもあります。
原発事故の件もあって、「スマートハウス」、「スマートグリッド」への大きな流れが進展しつつあり、「エコ」が後戻りすることはないでしょう。
今年は東日本の復興需要が本格化してきます。また今回の内閣改造をみても消費税増税への本気度が伝わり、増税前の「駆け込み需要」も次第に本格化すると思われます。
復興需要と駆け込み需要が重なることによる資材高、職人不足が懸念されています。
日本はすでに人口減少社会に入っていることから、この時期にいたずらにぜい肉を付けず、業務の効率化を図っていくかが木材、住宅業界の課題となります。
名木探訪 ヒノキ
冨士 夫婦檜
ふじ めおとひのき
(富士吉田市指定天然記念物)
樹高約33m、胸高周囲7.6m。
富士山吉田口登山道の起点となっている神社の本殿前にこの木は立っています。
2本のヒノキが根元で合着し、地上約12mで再び合着していることから「冨士夫婦檜」と呼ばれ、親しまれています。
この神社は江戸時代中期に富士山信仰と富士登山が盛んになるにつれ、白装束の登山参拝者で賑わったそうです。
車のない時代には皆ここから登っていったのです。境内には巨木が生い茂り、歴史を感じさせます。
当日は雪がしんしんと降り積っていましたが、静けさが増し、雪化粧した「鎮守の杜」からはより一層、荘厳さが感じられました。
所在地:山梨県富士吉田市上吉田諏訪内5558
北口本宮冨士浅間神社